トリプルスターコーチ合格者の声

 甲斐 貴大 様 ( 株式会社湖月 下郡店 店長)
トリプルスターコーチでは、面談を通じたマネジメントがテーマですが、面談は取り入れていますか?

面談を取り入れることで、チーム力がすごく上がりました。

 ただ、大切な点は、面談をして、スタッフのできないところを見つけてあげるというよりも、まずはスタッフとレベルを合わせるということが第一段階で必要だと思っています。

 スタッフとレベルを合わせるというのは、一緒になって考える、きつい時には一緒にきつい仕事をするなど、スタッフがしている仕事と同じ目線、同じ経験をするということです。

 私自身の例としては、まずは自分の行動を変えるようにしました。きついこと、楽しいことも一緒になってスタッフと経験し、考える時も一緒に悩みました。常にスタッフと同じ目線、同じ経験に合わせて行動するのです。リーダーである自分がそれをできるようになると、スタッフから信頼してもらえるのだと感じています。

 

面談を通じたマネジメントは、実はこの第一段階が非常に大切なんだと気づきました。

ちなみに、自分が感じている段階は次の通りです。

 

 1. スタッフたちとの信頼関係を養う(上述の通り) 

 2. 部下たちに仕事を分配する(自分の仕事を部下に振っていく。そして、マネジメントのための自分の時間を確保する)

 3. 部下の仕事を充実させる(そのために面談が必須になる。個人に合った面談を行う

 4.設定した目標をフォローするチームという組織が出来る(2年はかかった)

お話を聞いていて、面談が大切であることは、理解できました。でも、3つ目にある部下の仕事を充実させることと、面談を実施することにはどのような関係があるのでしょうか?

仕事を充実させるということを一言でいうと、『承認』してあげるということなんです。やっていることを承認して、できていることは、とにかくほめてあげる、できてない点は叱るということが大切だと思います。

 面談では、目標を決めますよね。それも、私が決めるのではなくて、相手に決めさせる方法を学んだので、相手がどのような気持ちでどのようなことがしたくて、どのような目標を持っているのか、どうにかして聞き出します。最終的に「このようなことがしたいのか・・」と分かったら、「だったら、このようなことをしていこうか・・」とアドバイスをして、相手が受け持つ担当の目標を決めます。目標が設定できたら、行動が決まるじゃないですか。行動が決まったら、僕たちが承認してあげるんです。

 私がこうして熱心に面談をするようになったのも、トリプルスターコーチに合格して自信が持てたからというのも大きいです。各人のスタッフに合わせた面談を繰り返し、承認を行っていくというサイクルが大切で、その意味で面談は仕事を充実指させていくための重要な要素だと感じています。

個人が持っているモチベーションのスイッチは、人それぞれ違うが、どう考えているのですか?

 

当社の副社長は「プライベートが充実していないと、仕事も充実できない、仕事が充実していないと、お客さまも満足させられない」とよく言われます。

 自分自身のプライベートの充実については、今は難しいのですが、今やっている仕事を充実させ、部下には自分がやっている仕事が楽しいことを伝えるようにしています。仕事の中では、部下がやっていることについて、僕たちがきちんと承認してあげるようにしています。そうすることで、仕事にやりがいを感じてくると思いますし、自然と給料も上がり、プライベートも充実してくると思っています。仕事を充実させることが、モチベーションの向上につながるのではないでしょうか。

スタッフの中には、プライベートさえ充実していれば、接客や仕事自体にあまり興味がない・・という方も正直いますよね。その方についてはどのようにお考えですか?

 

仕事にはあまり興味がない、パチンコにも興味がない・・という人も、もちろんいます。だから、僕はそのスタッフたちにより声かけをし、食事にも行き、なるべく多く接することにしています。できるといわれるスタッフたちは放っておいてもできるから、課題があるスタッフをフォローすることが大切に思います。それで、バランスが保たれると考えています。モチベーションが低い2割をフォローすることで、同じ目標に向かって行動できるようになると思います。できる2割や目立つスタッフだけをかわいがると反感を買うんですよね(笑)。

 

例えば、このような例があるんです。

半年前に入ってきたスタッフなんですが、接客もできないし、機械整備も無理だろう・・というようなスタッフだったのですが、そのスタッフをしっかりフォローすることにしたんです。彼と半年つき合う中で、彼の几帳面さに気付きました。それで、店内美化担当リーダーにすることにしたんです。そうすると、清掃ができていない点をどんどん写真などを撮って見せてくるようになって、それがきっかけで、彼のモチベーションや行動力が一気に上がり始めました。また私自身も彼のスイッチに気付けたという嬉しい気持にもなりました。

 別の例では、清掃員さんにも注目するんですよ。忘年会で店長賞とかいって「お客様からお褒めの言葉をいただきました」とたたえるんです。周囲のスタッフも喜んでくれますよ。目立たないスタッフまで見てくれているんだ・・と言って。
育成していくことをあきらめてしまいそうなスタッフに対しても、いろいろ試してみようと思われるようになったきっかけは何かありますか?

 全員と面談をするようになってからです。今までは気になったスタッフだけと面談をしてきました。ずっとこれを繰り返してきたんです。でも、全員と面談をするようになって、苦手なスタッフとも11で話をする機会ができてきました。そうしたスタッフにも仕事の充実を図るようにしていくなかで、自分の考え方も変わってきました。

 業績との連動性という面では、周囲の店舗に比べたら売り上げも安定していますし、お客様も毎月つかんでいるという実感はあります。現場の士気を保っているというのも関係していると思います。

店長にとって接客がいい、または全体のサービスがいいとは、どういう事をいうのか?
 店長が「接客を向上させていこうじゃないか!!」と発しても、その基準が今まではなかった。だから、期間を設けても、その期日でどのように上がったのか、その結果がよくわからないんです。接客が上がったね・・といってもイメージだけ。

 だから、僕がやっているのは、“接客向上というのはこの基準を満たしたら、向上したといおう”ってみんなに言っています。例えば、『半年間でクレーム件数を30件以内におさめよう』『お褒めの言葉20件以上もらおう』『目配り・気配り・心配りシート一人2件/月提出』これらを全て満たした場合には、接客が上がったよね・・と基準を定めています。そして、それが達成できたら、みんなで喜ぼうって言っています。

 これらの説明も、僕が1から、個別の機会を設けることを含めて、スタッフに説明をしているんですよ。

 それで、例えば、目配りシートの提出が遅れがちなスタッフがいるとすると「今月の目配りシートの提出はまだだよね。お客様の観察ができていないよね。今月はどうしようか?今月まだ15日あるよ」「どのようなところに目を向けて巡回をしようか?」って面談するんです。

 ここでポイントなのは、期間の中間で面談すること。期間が終わってからの面談だと、「できなかったね」という面談になってしまって、気持ちが下がったところで面談が終了するという結果になってしまうんですよ。

 だから、途中で修正して、その期間の目標を達成させてあげた方が、次の月につながる・・と思っています。目標は達成させないと意味がないんです。そのためにも、しっかりと手伝ってあげることが大切だと思っています。結果だけを報告するような面談だったら、僕はいらないです。

感想~サービスマイスターの良い点/課題点と思うところは?

まず、どっちにころぼうとも試験を受けた結果があることが嬉しい。確かに不合格だった時には、落ち込みますよ。でも、試験に合格した時の『きっかけ』というのはかなり大きいです。人って何かのきっかけによって動き出すんで、そのきっかけの一つとしてとらえると、すごく良いものだと思います。僕もその一人ですよ(笑)。

課題ですが、+αのスキルなんで、特に課題点は感じたことがありません。

店長がトリプルスターコーチを持っている価値とは、どこにあると思いますか?

店舗として何か成功させるという時は必要なスキルだと思います。チームで何か一つ達成させるという目標があるときには、その目標を説明する力、行動させる力とかは、絶対必要だと思います。チーム力を上げていくときには、絶対必要なスキルです。

 

サービスマイスター制度にかかわらず、いろいろなことにチャレンジして、組織やマネジメントことを知るきっかけを得れば、その世界のことをより深く知ることにつながると思います。いろいろなことにチャレンジすることで、みなさま自身の世界を広げていって欲しいと願っています。